配偶者控除の改正にあたって

2017年12月22日

平成29年度の税制改正により、配偶者控除及び配偶者特別控除の取扱いが変更されました。平成30年1月以降の取扱いは下記通りです。

① 給与所得者の合計所得金額が1,000万円を越える場合には、配偶者控除は不適用

 合計所得金額が900万円以下(給与収入の場合の1,120万円以下)の世帯の場合は配偶者控除  および配偶者特別控除を満額適用できますが、合計所得金額が900万円超1,000万円以下(給与収入の場合の1,120万円超1,220万円以下)の場合は、段階的に控除枠が減らされ、合計所得金額が1,000万円を超えると、控除枠がゼロになるという内容になっています。

② 配偶者特別控除の控除額が改正されたほか、対象となる配偶者の合計所得金額が改正。

  (改正前)38万円超76万円未満 → (改正後)38万円超123万円以下 

 上記①で高所得者世帯の配偶者控除の枠を縮小する一方で、高所得者世帯以外の配偶者所得制限の範囲が広げられました

以下、国税庁のHPより改正後の詳細をご確認ください。

https://www.nta.go.jp/gensen/haigusya/pdf/02.pdf

 合計所得金額が900万円以下の世帯については、配偶者の年収が130万円や150万円であっても、配偶者特別控除として38万円の控除枠を使うことができます。中小企業の社長の奥様で、社長の扶養に入るため(配偶者控除の38万円を使うため)、これまで8万円/月や8.5万円/月の給料設定にされていた方については、10万円/月や12万円/月としても、配偶者特別控除の38万円を利用できることになります。ただし、社会保険の扶養は見込年収130万円とされているため、最終的には10万円や10.5万円あたりで金額設定される方が多いのかもしれません。


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兼本会計事務所

税理士 兼本宗徹